2008年08月12日

シンデレラ the ミュージカル

 モーニング娘。が宝塚とコラボレーションした、2年ぶりの本格ミュージカル『シンデレラ the ミュージカル』を観てきました。

 時は8月9日。この日は16:00からの部でしたので、余裕を持って15:10くらいに着くと、新宿コマ劇場の前はもうかなりの人だかり。それでも、土曜日にしては思ったほどではありません。場外の先行グッズ売り場にもそれほど長い列ではできていませんでした。

 ネット予約のチケットを受け取り、グッズ列に並んで、日替り写真などを購入。買い終わってちょうど、15:30の開場となりました。早めに入場し、パンフなどを購入して、2年前の記憶も鮮やかな絨毯敷きの階段を上がります。2年ぶりに見る2階ロビーの風景に、今年も娘。のミュージカルを観ることができる幸福感とワクワク感が湧き上がってくるのでした。

 席は21列の少し左寄り通路際。すぐ前が階段出入り口の枠になっていて、つまり前には人がいなくて、少し遠いけれど見やすい位置でした。愛ちゃんの声の場内アナウンスが終わると、いよいよ開幕です。


 さぁ、物語は・・・改めて書くまでもありませんね(笑)。そう、誰もが知っているシンデレラのストーリーが淡々と、そしてテンポよく進んでいきます。おなじみの展開・・・ですから、次は何が起こるんだろう?、とか、この後あの子はどうなっちゃうの?みたいなハラハラ感はなく(^^;、ゆったりストーリーを追っていけるという感じです。

 さて、やはり私としては、2年前の大傑作『リボンの騎士』と比較してしまうところがあるのですが、その辺も交えつつ、初見の正直な感想を綴っておきましょう。

 まず、今回の作品は、もともとロジャー&ハマースタインによってミュージカル用に構成・脚色されたものが元になっていて、そのストーリー展開や歌われる歌のメロディ・歌詞も、世界的に知られた既存の作品をアレンジ・翻訳したもののようです。かの宝塚歌劇団自身も同じものを演目のひとつとして持っています。

 モーニング娘。のミュージカルのために、今まで舞台化されたことのなかった手塚漫画を脚本から構成しなおし、劇中歌も新たに作曲された完全オリジナル歌劇の『リボンの騎士』に比べますと、オリジナリティはかなり低い、と言えます。実際、宝塚をよく知るファンからは「宝塚の演目を、配役をモーニング娘。に替えてやっているだけ」という声も出ているみたいです。

 それと、ストーリー自体も、上述しましたように、母親が幼い子供に読んで聞かせる絵本のように、大きな起伏や波乱万丈はなく、平和なストーリーがゆったりと流れる、という印象でした。シンデレラに対する継母たちのイジメも陰湿なものではなく、どちらかと言えば他愛のない、ユーモラスでさえある感じです(^^;。もっとネチネチと虐めたほうが、物語的にもメリハリが出るし、シンデレラへの感情移入も深まっただろうと私は思うのですが。

 そこでもやはり2年前の記憶がよみがえります。ハラハラドキドキ・山あり谷ありの物語、主人公の苦境、魔女や悪大臣の陰謀、男と女の間で揺れる二つの魂、脱走、逃避行・・・といった波乱に満ちた展開、さらには、手塚作品らしい、生と死、愛と憎しみといった深いテーマをも表現した『リボンの騎士』は、本当にその物語世界に観る者を引き込み、深い感動に包んでくれました。

 それに比べてしまうと・・・やはり今回の『シンデレラ』は、ストーリー的には(あまりにおなじみのお話だからということもありましょうが)物足りなさを感じてしまうのが正直なところです。「よりお子様向けの、平和で安心な舞台」と表現してもよいかと思います。前回の、あの感動を期待してしまうと・・・というか、それほど『リボンの騎士』があまりにも良すぎた、ということなのでしょう。


 辛口の批評を書いてしまいましたが、舞台上での娘。たちの演技ということでは、今回もちゃんと魅せてくれました(^−^。

 前回に続き、今回もヒロインの愛ちゃん。純真で可憐な少女を可愛らしく演じます。悲しんだり怒ったりという感情の起伏がほとんどない分、いつも笑顔で、みんなに愛されるシンデレラの姿は温かいものがあります。

 そして、貧しい境遇の中でも、シンデレラはいつも夢を見ています。その夢がいつか叶うと心から信じている。その純粋な心に、妖精の女王も動かされるのです。夢を信じることの大切さ・・・それこそが、このミュージカルのテーマです。

 そんな夢見る少女を表現する愛ちゃんの歌。いつにも増して可愛らしい、それでいて芯の通った歌声が劇場内に、そして観る者の胸に響いてきます。その歌に感動した、とあえて言ってもいいでしょう。やっぱり彼女が主役でよかった。そう思わせてくれます。


 そのシンデレラをひと目で愛してしまう王子様はガキさん。『リボン』のなっち王子や男装のサファイアにも引けを取らない、凛々しい王子を見事に好演。実は今回の舞台で一番のハマリ役はガキさんじゃないでしょうか(^o^!そのくらい、彼女の”かっこよさ”にも感動を覚えました。

 これは余談ですが、休憩のときにロビーで、ヅカファンらしきオバサマ二人の会話が耳に入ったのですが、「宝塚じゃない人が、男役の低い声を出すって無理があるんじゃないかしら?でも、(王子役のガキさんは)よくやってるわよね〜」みたいなことを言ってました。確かに、少し低めに抑えられた声と高貴な話し方、スッと背筋の伸びた立ち姿など、とってもキマってましたよ!


 義姉コンビのジョイ&ポーシャ。もしかしたら、一番リラックスして楽しんでやってたのは、このれいな&亀かもしれません(笑)。そのくらい、半分素が出てるというか、ハロモニのコントを見てるような(^^;、ある意味、安心感がありました。欲を言えば、もっと歌があってよかったかな?二人が歌う場面は意外に少なかったですね。


 伝令役の小春ちゃんはコミカルでした(笑)。いえいえ、役自体は真面目なものなんですよ。でも、kさんもおっしゃっているように、普通にしてても、なぜかどこかしらコミカルなんです(^^。その辺が小春の天然というか、おもしろいところですね。それならば、そのおもしろさを活かして、思い切ってコミカルな、笑いを取る役柄にしてしまう手もあったかな〜と思ったりします。演技はまだちょっと硬かったけど、前回よりは落ち着いてできてたと思います。


 妖精の二人、さゆとみっつぃ〜は終始、可愛らしかったです。特にさゆは、普段の可愛い子(ブリッコ?)の雰囲気を思う存分表現できて、嬉しそうな、楽しそうな感じでした。冒頭のフライングもキレイにキマってましたね。ただ、この二人、妖精としてのセリフや歌がなかったのです。それはちょっと残念。たとえば、妖精の女王が魔法をかけるときなど、二人の妖精娘がその周りで歌い踊って、雰囲気を盛り上げたりしたらもっとよかったかも。

 あと、この二人は町娘としての出番も結構ありました。白いドレスが可愛い(^^。このときは町のみんなで歌ったり、ひと言ずつのセリフもあったりして、これまたいい感じでした。


 ある意味注目だったジュンジュン&リンリンは、伝令役といっしょに町を巡り、ラッパを吹いて鼓舞するページという役でした。さすがにセリフは、最後のほうにひと言ずつあっただけでした。舞台の上で、日本語のセリフを話すというには、まだ彼女たちの日本語は追いついていないようです。でもその分、歌でのアピールがあったらよかったかもしれません。小春ちゃんといっしょに”伝令の歌”とか、ね。


 娘。たちの初見の感想はこんなところでしょうか。みんなとても清々しく、可愛らしくできていました。まだまだ慣れてない小春と初ミュージカルのみっつぃ〜&ジュンリンには、よい糧になったと思います。


 最後の「フィナーレ」にも触れましょう。おそろいの真っ赤な衣装に身を包んで、モーニング娘。が舞台からせりあがってきます。一曲目は『C\C(シンデレラ\コンプレックス)』。あの高難度のダンスを9人でピタリとキメたのがかっこよかった!

 続いて、『シャボン玉』、『ザ☆ピ〜ス!』、『リゾナント ブルー』と披露。まばらにサイリウムの光が揺れてたり、「れいなだけ〜♪」の叫びもあったりしましたが、前のほうの一部だけで場内はおとなしいもの。もちろん、私もおとなしくしてましたとも(笑)。むしろ、その後の宝塚スターのステージのほうが、手拍子がにぎやかでした。ヅカファンが本気になったらもっとすごいのかも(^^;。

 「リボン」のときと同じく、いつもとは違う、ちょっとゆったり目の振り付けなところもありましたが、さすがにおとなしくはやれない『シャボン玉』や、『リゾナント ブルー』ではほぼオリジナルに近いダンスで、座って見ていても結構気分はノれましたです(^−^。


 先日の「ハロモニ@」でも、愛ちゃんが「(シンデレラの役を)まだ探ってるところ」と言ってました。舞台とはナマモノですから、これから回を重ねていくごとに、違った見方ができたり、深みを増したりするものでしょう。

 また観に行きたいと思います。

 


posted by 麗夢 at 19:36| Comment(0) | TrackBack(0) | theater | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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