2006年07月14日

ほろ苦い最終戦 〜グッドウィルカップ決勝トーナメント〜

 勝負の世界とはかくも厳しきもの。スポーツはまさに筋書きのないドラマ。台本や演出のあるステージのように、思い通りに、カッコよくはいかないのでした。

 7月13日、駒沢体育館。『第1回グッドウィルカップ』決勝トーナメント大会。我らが紺野あさ美にとって、Gatasのゴレイロとしての本当に最後の大会は、ほろ苦いものになりました。無慈悲な勝負の女神は、去り行く愛すべき闘魂娘に微笑んではくれませんでした。

 1回戦第2試合。対戦相手のXANADUに、Gatasはこれまで負けたことはありませんでした。3人のサッカー経験者というハイレベルなタレントをそろえながら、いまひとつ決定力に欠け、勝ちに恵まれないという印象のチーム。予選リーグも無勝(2分け)での決勝T進出です。Gatasサポーターなら誰しも、1回戦の勝利を信じて疑わなかったでしょう。

 しかし・・・そのハイレベルなタレントがついに機能するときが来てしまったのか、あるいは、Gatasの弱点のひとつでもある、フィールドでの守備意識の脆さが大事なところで露呈してしまったのか・・・Gatasが攻撃に転じてパスを回そうとした次の瞬間、ボールを奪われ、あっという間のカウンター。高く上がっていたGatas防衛ラインの裏を取られると、ゴールまで無人の荒野。いかに守護神でも、1対1の形をああもきれいに作られてしまっては、為す術がありません。

 前半のうちに、なんと2失点。しかも、2点とも同じような形でやられました。ほかのチームがXANADUの攻撃をほとんど防いでいたのを見るにつけ、残念ながら、Gatasの守備意識、ゴール前でのフィールドの守り、ボールを持った相手に対するチェックの厳しさ、攻撃時のボールキープ力、相手の裏をかくようなパス回し、などなどにおいて甘さがあったと言わざるを得ません。

 Gatasにももちろん、チャンスはありました。中央から切り裂く是永や右サイドを突破するあさみが決定機を作りましたが、決め切れません。特に後半、是ちゃんの、あわやゴールかと思うような強烈なシュートがサイドネットに突き刺さる場面が2発続いたとき、正直、
「ああ、今日のGatasにはツキがないなぁ」
と思いました。ツキ・・・そう、勝負は時の運。強いものが必ず勝つとは限らないのです。

 それでも後半は、なおもGatasゴールを襲う攻撃に、紺ちゃんらしい闘志あふれる好セーブで対抗していました。さらさらの髪をなびかせながら、貪欲なまでにボールをつかむ、その気迫のプレーを確かにこの胸に刻みました。

 最後まであきらめないGatasは、後半の時計がゼロを指したあと、かなり長めに取られたロスタイムで、相手ゴール前の混戦から意地の一発。一矢報いはしましたが、時すでに遅し。試合終了を告げる無情の笛が鳴り響いて、紺ちゃんのフットサルが終わりました。

 その瞬間、「泣かない」と決めていた紺ちゃんが涙を必死にこらえていました。ほかのチームのように悲愴に泣き崩れる選手はGatasにはいませんが、我らが守護女神もこのときばかりは、泣き顔を見せまいとするのに精一杯でした。メンバーに支えられるようにしてピッチを後にするとき、やはり彼女の瞳には涙があったのでしょう。

 誰よりも紺ちゃん自身が一番勝ちたかったでしょうし、一番悔しかったでしょう。消えていく小さな後姿を目で追いながらそのことを思うとき、私もまた心の中で涙するのでした。
「これがスポーツというものだ。しかたない」
私にできたのは、そんなありふれたセリフで自分自身を慰めることだけでした。

 真剣にフットサルを戦う女子タレントたちの姿を応援し、楽しむ、という信条から、決勝戦まで見届けましたが、正直申しまして、Gatas以降の試合は、どこか上の空で、目の前で行われているすばらしい熱戦も、遠い国のスポーツ中継を録画で見ているような、妙に臨場感のないもののように感じられました。自分で認識するよりもずっと、Gatas敗戦のショックは大きかったようです。放心状態という言葉を、予想外のところで実感するのでした。

 ほかの試合の事は後日に回すとして、最後の閉会式。それぞれのチームのキャプテンが一言ずつ挨拶していきます。今大会で臨時キャプテンを務めた柴っちゃんは、悔しさを秘めながらも淡々とコメント。
「優勝できなくてすみませんでした」
という言葉は、サポーターに向けられたものでもあり、また、不在の吉澤キャプテンたちへの気持ちだったのかもしれません。そして、
「この大会で最後となる、紺野あさ美からひとこと・・・」
と、紺ちゃんにコメントを求めました。

「勝ちたかった・・・」
やはりこの言葉が、彼女の口から出ました。でも、いつものように穏やかに、時に笑顔も見せながら、サポーターへの感謝の気持ちを言葉にする紺ちゃんは、なぜかとても大人びて見えました。

 場内一周でも笑顔で手を振る紺ちゃん。それでも、場外へと消える寸前、うつむいたまま、仲間たちに囲まれ、肩を抱かれているような姿が垣間見えました。私たちの前では最後まで涙を見せなかった紺ちゃんですが、抑えていた感情が解放されたとき、あふれくる涙を抑えることはできなかったと思います。でも、それでいいのです。気持ちを許し合える仲間たちなのですから。

 こうして、Gatas Brilhantes H.P.のスーパーゴレイロ、紺野あさ美のフットサルは終幕しました。この哀しみを抱きながら、それでも明日に向かって、また新たな一歩を踏み出していくのです。私も、そしてGatasのメンバーたちも。

 


posted by 麗夢 at 02:35| Comment(0) | TrackBack(0) | sports | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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