11月18日、しかしついに、その時は来ました。中野サンプラザ公演2日目の昼、それはれいなの口から発表されたのです。
私はその場に居合わせる機会には恵まれませんでしたが、ネット配信されたJIJIPRESSさんやMAiDiGiTVさんの映像を観ますと、れいなはとても明るく、パワフルに自身の卒業を発表していました。
それは彼女にとって、この卒業が悲しいことではなく、前へ・・・歌手としての次のステージへと進む輝かしい門出であることの表れだな〜と感じました。
また、その姿には、10年間という、愛ちゃんやガキさんと同様、アイドルとしては異例の長い期間、モーニング娘。として活動してきた達成感、やりきったという想い、その10年に悔いなし、という気持ちが見て取れました。
まさに、娘。史上稀代のボーカリストの卒業という寂しさを受け止めねばならないファンに、希望と新たな楽しみを与えてくれる笑顔でした。それは大きな救いであり、さすがれいな!と賞賛したい。
そして、その場では同時に、”れいなのバンド”のメンバーも発表されました。・・・
確かに、いまのれいなのルックスやアイドルレベルをはるかに超越したボーカル力からすると、アイドルグループに収まっているより、ガールズロックバンドの中心メンバーとして活動展開するほうが似合っているし、彼女の歌手としてのポテンシャルも大きく飛躍しようというものです。
なので、れいなの卒業後の道がバンドという方向に向かうのは最善だと思います。それはれいな自身も感じているに違いなく、卒業発表時の、あのウキウキした姿にその気持ちが込められていたのでしょう。
今回の卒業発表は、田中れいなというボーカリストの新しい世界を観れるということで祝福したいし、楽しみにしたい。
ただ、やはり”モーニング娘。としては”大きな損失です。10年選手、なおかつ5年以上にわたってモーニング娘。というグループのメインボーカルの一角を担ってきたれいなの卒業は、ただでさえリーダーさゆ以外は全員3年未満という”若い”グループへと大きく変貌した娘。の、本道である音楽性をも大きく変革させる一大事です。
れいなの後継者、次代のエースである里保も、たしかに歌唱力が急成長し、まさにエースの風格さえ漂ってきましたし、その実力はまだ未知数ながら、P氏の絶賛を受けている11期のさくらちゃんも期待大です。
が・・・、2人ともまだ若い。若すぎる。大きな才能はあるけれど、まだまだ発展途上の中学生。10年という年季でテクニックと表現力を磨きに磨いてきたれいなの圧倒的な存在感にはまだまだ及びません。
ここへきて、4年半もの長い間、新人を入れなかったことの反動が顕在化したというべきでしょうか。つまり、これまでの娘。では、先輩が卒業しても、それに近い経験値を積んだ”次の期”が娘。の中心的ポジションを受け継げたのに対し、現状では10年選手の6期がいなくなると、あとには3年未満選手しかいない。次代の中心的存在が7年以上も経験値の少ない子たちになる。
これは、娘。15年の歴史において例のないことです。はたして、その功罪やいかに?
りほりほやおださくちゃん、香音ちゃんたちが、れいなレベルの、あるいはそれに迫るボーカル力を身に付けるにはまだ時間を要するでしょうから、れいなの卒業は、モーニング娘。を”楽曲的には”ほとんど別のグループへと、またしても”変貌”させることを余儀なくするものとなります。特にこれからの娘。のパフォーマンスの中核となる9期には大きなプレッシャーもかかることでしょう。
また、奇しくもつんく♂Pが小田さくらの加入にあたり、「(小田の加入によって)娘。の楽曲の方向性も変わる」といった発言をしていましたが、れいなの卒業によってその変化は、より顕著で劇的なものになる可能性があります。
さてさて、2013年も何かと激動の年になること確定なモーニング娘。ですね(^−^;。2011年初頭以降のあまりにめまぐるしい”変化”はファンにとっては何かと落ち着かなく、気が気じゃない日々が続いてタイヘンなのですが、実はそんな”変化”こそ、この特異なアイドルグループの大きな魅力なのでしょうね。
まさにつんく♂氏が語るところの「安定したものを壊される苛立ちの連続がモーニング娘。」(週刊プレイボーイ)ということが体現されている。つんく♂Pはそれを有限実行し続けている、ということなんですね。
プロデューサー自らが、「モーニング娘。の歴史の中で3本の指に入る歌唱力」と評した田中れいなの卒業・・・それによって何が失われ、変わって何が芽吹き、どう変革していくか?
小田さくらの加入とともに、2013年の娘。もまったく”安心できません”(^o^!でも、だからこそ面白い。そんな娘。を見続けていく幸せを味わっていきましょう。